ヨーロッパ美術の歴史において、神話や聖書、古典古代の題材が絵画を描く上で長く重んじられていました。16世紀には画面の劇的な明暗を特徴とするバロック様式が流行し、18世紀には華やかなロココ様式が花開きます。様式は変わってもこれらの題材は共通のテーマとして、後に美術教育の規範に繋がっていきます。こうした流れに対し、産業革命以降、あるがままの自然の光景が題材として注目を浴びました。特にパリ郊外のバルビゾン村に集まり、自然の中に生きる農民の暮らしを描いた画家たちは、その地名からバルビゾン派と呼ばれるようになります。その画家たちは理想化された歴史画や肖像画ではなく、静物画や田園の風景などを描きました。
本展では、山形県にある山寺 後藤美術館所蔵のヨーロッパ絵画コレクションより約70点を展覧いたします。16世紀から19世紀へとまたがる幅広いヨーロッパ絵画の世界、その歴史をご覧ください。