現実にはありえない不思議な世界を、卓越した描写力でリアルに描き続ける、ミヒャエル・ゾーヴァ。
1945年ベルリンに生まれたゾーヴァは、芸術大学卒業後、画家・風刺画家・イラストレーターとして活躍し、1993年に出版された『ちいさなちいさな王様』の挿絵で一躍世界的な注目を集めました。動物や昆虫が登場するユーモア溢れる独創的な作品は、日常の何でもないおかしな瞬間の記憶から着想を得ていますが、ゾーヴァ特有の世界が広がり、一度見たら忘れられない強烈な魅力を放っています。近年は活動の場を広げ、オペラ「魔笛」(1998年)の舞台美術・衣裳を担当し、また映画「アメリ」(2001年)では絵と小道具を制作、さらに映画「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(2005年)では背景のイメージを提供するなど、ジャンルを超え国境を超えて才能を発揮しています。
本展では、『ちいさなちいさな王様』、『エスターハージー王子の冒険』など人気の絵本原画をはじめ、映画「アメリ」で手掛けた代表作を、さらに日本初公開の作品を含む130点を展覧いたします。
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