琵琶湖から流れる瀬田川の右岸に位置する大本山石山寺は、良弁僧正によって747(天平19)年に開創されました。巌の上に安置していた聖武天皇の念持仏・如意輪観音像が不思議とその場を離れなかったため、この地に堂舎を建立したのが石山寺の起こりです。
寺は平安時代中頃になると、観音霊場として、また真言教学の学びの場として、貴族たちの「石山詣」を迎えることとなります。紫式部もそのひとりでした。紫式部は同寺に参籠した際、八月十五夜の名月の晩に「須磨」「明石」の発想を得、やがて『源氏物語』を生み出したのです。
会場では、本尊厨子前に安置されている《如意輪観音坐像》をはじめ、土佐光起らによって精巧に模された《石山寺縁起絵巻》や中世の曼荼羅といった宝物によって、古刹・石山寺の世界をご紹介いたします。続いて、同寺の所蔵する江戸から近代に至る『源氏物語』を主題とした絵画・工芸のきらびやかな世界が広がります。この世界最古の長編小説は、1008(寛弘5)年の完成当時から現在に至るまで、繰り返し図様化・絵画化され、日本人の心に浸透してきました。本展では、室町時代に描かれた最も古様を示す《紫式部聖像》を筆頭に、『源氏物語』を題材とした絵巻や屏風、華やかな装飾がほどこされた工芸品などにより、源氏の世界を展覧いたします。
初春にふさわしく厳かで華麗な宝物約70点で、伝統ある石山寺と雅な源氏物語の世界をお楽しみください。
講 師 | :片桐弥生氏(静岡文化芸術大学 准教授) |
テーマ | :石山寺と紫式部図と源氏絵 |
日 時 | :3月7日(土)午後2時から |
参加費 | :無料 (ただし入館料が必要となります。) |
日 時 | :3月14日(土)・21日(土)・28日(土) 各日午後2時から |
講 師 | :青海光氏(香道家) |
日 時 | :3月13日(金)午後2時から |
場 所 | :そごう美術館展示室内 |
定 員 | :50名 ※先着順。定員になり次第締め切らせていただきます。 |
参加費 | :2,200円(入館料込み、記念品付き) |
参加方法 | :そごう美術館(電話045-465-5515)までお申し込みください。 |
|