占領下の日本。その混乱の中、日本の復興と講和独立をめざしてGHQとの折衝の矢面に立ち、米国側に「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた男、白洲次郎。21歳で英国ケンブリッジに学び、英国紳士としてのマナーと教養を身につけて、プリンシプルを信条に激動の時代を駆け抜けたその潔い生きざまは、数々のドラマを生み出しています。 一方、骨董蒐集や文筆活動において多彩な活躍をした白洲正子。樺山伯爵家の令嬢に生まれ、幼いころから能をたしなんで古典芸能に通じ、19歳で白洲次郎と結婚。その後青山二郎、小林秀雄らとの交遊の中で、骨董の美しさや面白さに開眼し、その世界に引き込まれていきます。『美しい骨董を見ることは、そして使うことは、自分を豊かにすることだ』という言葉からは、骨董に愛情を注ぎ、好きなものに囲まれて心豊かに暮らす正子の自然体の姿が見えてきます。
本展では、次郎が戦後、日本の復興に奔走した当時の史料をはじめ、留学先で身につけた英国流ダンディズムを物語る身の回りの品々を、また自分の好みをはっきり持った正子の好みを反映した仏教美術や信楽などの古窯もの、さらには初期伊万里など骨董の数々を展覧します。加えて、日本の敗戦を見越してふたりが移り住んだ鶴川の武相荘(旧白洲邸)での部屋と食卓の再現を通して、その暮らしぶりを紹介します。
互いの生き方を尊重し、見守りながら生きた次郎と正子の全貌を知るまたとない機会といえるでしょう。
●日時/2009年1月11日(日)午後2時から●場所/そごう美術館展示室内●定員/70名●参加費/無料(ただし、入館料が必要となります)●参加方法/2009年1月11日(日)午前10時から、そごう美術館入口にて座席整理券を配布いたします。
●毎週土曜日午後2時から
(混雑状況により中止する場合があります。あらかじめご了承ください)
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