解説 着物、帯、屏風、絵本、ガラス絵など、さまざまな種類の作品を生涯に10,000点以上も制作した染色家芹沢介(1895-1984)。2005年は芹沢介生誕110年にあたるため、本展はそれを記念した大回顧展となります。
1895(明治28)年、静岡市の裕福な呉服商家に生まれた芹沢介は、少年時代に『白樺』を愛読し画家を志していました。18歳の時上京して東京高等工業高校(現・東京工業大学)図案科に入学、卒業後は再び故郷に戻り、県の工業試験場に勤めて漆器、木工、染色の図案を指導しながら、郊外の風景や草花を写生する日々を過ごしたといいます。その後近所の主婦たちを集めて編物や刺繍、染色などを教えていましたが、柳宗悦が著した「工芸の道」に感銘を受け、以前から興味を抱いていた染色の仕事に真剣に取り組むようになったのです。そして1929(昭和4)年、国画会に壁掛けを出品し初入選を果たし、柳を中心にした民藝の人々の影響を受けながら、多くの傑作を創作していきました。1956(昭和31)年には「型絵染」で重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受け、以後1984(昭和59)年に88歳で亡くなるまで名実ともに染色作家の第一人者として活躍を続けて、その作品は日本だけでなく世界中から高い評価を得ています。
本展には着物、帯、のれん、屏風といった染色類のほか、ハンドバッグ、絵本、ガラス絵、板絵、また飲食店のマッチや行灯といった商業デザインなど、初期から晩年までに制作された約300点が出品されます。また、芹沢の「もうひとつの創造」
と呼ばれる、晩年彼が情熱を注いで収集した世界各国の民俗資料など約100点もあわせて展覧いたします。 生涯「用の美」を追求し続けた芹沢介の作品とその軌跡を、この機会にぜひご堪能ください。
会期
 展覧会名
 会期 2005年2月5日(土)~2月27日(日)※会期中無休
 開館時間 午前10時~午後8時 ※2月22日(火)午後2時~午後8時
最終日は午後5時閉館 入館は閉館の30分前まで
 入館料 大人:900(700)円、大学生・高校生:700(500)円、
中学生・小学生:500(300)円

※消費税含む ※( )内は前売り及び20名以上の団体料金
 会場 そごう美術館(横浜駅東口・そごう横浜店6階)
 主催 (財)そごう美術館、朝日新聞社、神奈川新聞社、FMヨコハマ
 後援 神奈川県教育委員会、 横浜市教育委員会
 協力
●ギャラリートーク(当館学芸員による作品解説)のお知らせ:毎週土曜日午後2時から
お問い合わせ
〒220‐8510 横浜市西区高島2-18-1そごう美術館  電話(045)465-5515
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