エリザベート(Elisabeth Amalie Eugenie in Bayern,1837-1898、愛称シシィ)は、父バイエルン公マクシミリアン・ヨーゼフ譲りの自由奔放さで少女時代を過ごしました。やがて1853年、15歳のエリザベートは、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ(Franz Joseph I,1830-1916)の愛情を一瞬で捉え婚約、翌年ハプスブルク家に嫁ぎます。威信と伝統を重んじる宮廷での窮屈な生活を余儀なくされた彼女にとって、夫の愛情と4人の子ども達、そして美容と狩猟が慰めとなりました。特に美容に関しては、自らの美しさが社交界での武器となることを学んだことで自身を偶像に仕立て上げることに、情熱を費やします。ヨーロッパ随一といわれるようになる彼女の美貌は、現代でも多くの人を魅了してやみません。
本展では、日本初公開となる《星の髪飾り》を中心に、個人が所蔵する品々や、ウィーン・ミュージアム他の所蔵品約120点を展覧。美に人生をかけ、愛する子どもとの別れ、旅に明け暮れた人生の末、最後は暗殺によって命を落としたエリザベートの劇的な生涯を追います。